本の紹介「ドキュメント高校中退—いま、貧困がうまれる場所」
DATE:09-11-02 Category:Books
10月に読んだ本の中から、一冊紹介させて頂きます。
この本に出てくる高校生の学力がどのくらいかというと、以下の文でわかると思います。
教師は一から一〇〇まで数えさせるといった補習授業をするのである。順番に数えていけば数えることができても、では「55の次はいくつ?」と聞くと、一〇%の生徒はできない。SA高校の生徒にとって数字の理解は三〇までで、それ以上の数を概念として理解することはむずかしいようだ。一円玉、五円玉、十円玉をいくつか出して、「全部でいくらになる?」と聞いてもわからない生徒もいる。「一五三二五は?」と聞いても、高校三年生になっても読むことすらままならない。
このような若者が十代のうちに妊娠し、出産します。
そして貧困の連鎖が始まります。
妊娠し、18歳で24歳の男性と結婚しその後旦那さんは犯罪を犯し、留置所へ。
生活できず旦那さんの父親から生活費をもらっている女性のコメントが以下です。
「今ももっている金で正治が出てくるまでがんばる。早く二人目の子供が欲しい。次は女の子がいい。だけど家のガスを止められた。」
このコメントを「頑張り屋で子供の好きなお母さん」と解釈するか?僕は全くそうは思えません。
旦那さんは留置所、お金は援助してもらいガスも止まられている。その状態で二人目の子供が欲しいという思考になるのは、僕からしてみたら異常としか思えません。
この思考回路では、貧困から抜け出す事はできないでしょう。
以下の例はさらに悪いかもしれません。
公男の母親は十六歳で公男を出産した。公男は母親を「みえちゃん」と呼び、四十歳ぐらいの祖母を「ママ」「お母さん」と呼んでいた。
〜中略〜
母親はネイリストや化粧品の販売や水商売など次々と仕事を替えながら暮らしていた。「パパ」と呼ぶ男もいたが、そのうちにいなくなった。
公男はだれからも育てられていなかった。
〜中略〜
保育所には昼食を食べにくるようだった。だから公男はいつも昼の給食をものすごい勢いで食べていた。毎日、昼間着ていた衣服でそのまま寝て、髪も洗ってもらっていなかった。歯磨きも練習していなかったので公男は歯が溶けて歯茎で食べていた。
子どもたちは、よく近所のパン屋からパンの耳をもらって食べていた。ネグレストを受けている子どもたちは普通、虫歯だらけのことが多く、そこでネグレストかチェックする。だがこの子には虫歯がなかった。菓子やジュースすら食べたり飲んだりしていないからだ。
このように衝撃的なレポートが大量に掲載されています。
読んでいると、ここに出てくる「親」たちに対して、怒りが湧いてきます。
しかし、これは社会の問題でもあると思います。
彼らの自己責任という解釈にしてしまうのは簡単ですが、社会もこのような若者が存在しないように教育したり、もし教育から弾かれた場合は彼らを保護するセーフティネットが整備されているなど、社会的に足りていない部分も多いのではないでしょうか?
果たしてこの人たちに、子ども手当として現金を渡して、有効に活用できるのか?そういう部分も考えるべきだと思います。
高齢者保護が最優先で叫ばれる世の中ですが、若者に投資しない国は衰退するはずです。
経済大国であり、総中流社会と言われた日本ですが、本書のような現実もあることに多くの方に目を向けてもらいたいと思います。
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Comment 2
ジュビリー WEB|09-11-03
教育格差は昔からあるよね。
私が16で高校を辞めたときにも、
周りの友達は18で3人の子持ちとか
シャブ中とか風俗嬢とか、そういうのばっかりだったなぁ。
本を読んでないから分からないけど、
このタイトルだけ見ていると
一般人は「高校中退=悪」と短絡的に解釈しないか心配。
高校中退でもまともな人はたくさんいるからね。
高校も義務教育にしてしまえば
高校中退ってものすごく減ると思う。
現状、日本では高校って義務教育じゃないから、
「辞める」という手段があるわけで、
高校を義務教育にしていない時点で
教育格差を生む原因を国が自ら作り出しているようにしか思えん。
それにしても今の日本のマスコミは
若者たちのダークな部分を取り上げたがるよね。
NHKから「風俗業界で働く若者の現状」みたいな
番組を作りたいと相談されたことがあったけど
「彼氏からDVを受けてサラ金地獄にも陥って
病んでいる女の子が風俗嬢には多いと聞いたんだけど、
そういう子を知っていたら紹介して欲しい」
って言われたな。半分ヤラセのような気がした。
みんながみんな、そんな子ばかりじゃないし、
むしろ年々厳しくなりつつある風俗業界、
心身ともに健康な女の子でないと稼げなくなっているのが
実情だから、病んでる子はすぐに消えていくし…。
とりとめもなくなってしまったけど
より多くの若者たちが希望を持てて笑顔になれる報道や
記事を、マスコミはもっと増やしていくべきだなと
最近、思います。
個人的には「20代の勢いある若手起業家特集」
「勢いのある活動的な学生特集」みたいなテーマを、
テレビや本で取り上げて欲しいですね。
i-daisuke MAIL |09-11-03
>ジュビリー
ちなみに、この本は高校中退=悪っていう内容ではないかな。
どっちかというと高校中退から貧困が始まるって言うニュアンス。
それも普通の高校というか、かなり学力レベル的には低い高校だね。
実際本にもここに載っているような子ども達は、軽度の知的障害や学習障害の恐れがあって、養護学級的な学校に行った方が適切な教育が受けられるかもっていうのも書いてあるよ。
今のところ、高校は義務教育ではない訳で、実際は高校を辞めるという選択は悪ではないはず。
でも高校中退だと大きなハンデを負う事は確かで、そこから這い上がるのはかなりの意思が必要になるとおもうんだよね。
義務教育にした場合どうだろうね。。結局学校に来ないとか、今度は大学に行かないのが大きなハンデになる恐れもあるんじゃない?
>それにしても今の日本のマスコミは
>若者たちのダークな部分を取り上げたがるよね。
確かに、そんな感じがするかも。
テレビの主な視聴者の高齢者にとって、若者っていうのは得体の知れない生き物なんじゃない?(笑
確かに「20代の勢いある若手起業家特集」「勢いのある活動的な学生特集」こんなテーマは見てみたいね。
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